坐骨神経痛とは

お尻からふとももにかけて痛い…

足のすねの外側が痛くてずっとさすっている…

ぎっくり腰になってから腰痛良くなったけどお尻あたりが痛い…

もしかして坐骨神経痛なのかな?

ほうっておいたら良くなるだろうと痛みだしてから3カ月も経つけど全然痛みがひかない…

一生ずっとこのままなのかな…と不安になる気持ち…わかります。

今回は坐骨神経痛の症状と種類、やってはいけないこと、対策をお伝えしていきます。

もくじ

  1. 症状について
  2. 種類について
  3. やってはいけないこと
  4. 対策(自分に出来ること)
  5. 対策(プロに任せる場合の注意点)
目次

1.坐骨神経痛の症状について

  • お尻の痛み
  • 足の痺れ
  • ふくらはぎの外側がズキズキと痛み
  • 症状があるので庇って歩いている
  • 長時間歩くことができない。立つことができない
  • 夜も眠れないほど、太ももの前や外側にかけて痛む
  • 足があがらなくなってきた
  • 付随症状(いっしょに出やすい症状)→足がむくむ、だるい、重い

    代表的な症状を上に書きました。症状の出る範囲も人によりさまざまです。

    だいたい多いのが下図の範囲に痛み、痺れが出る場合が多いです。

    どうしてこのようにいろんなところに症状が出るかというと、神経の損傷を受けている場所が違うためです。

    痛みや痺れというのは神経が脳に情報を伝えています。その際にエリア区分が決まっているのです。例えばふくらはぎの外側の範囲は神経Aのエリアね!とかふくらはぎの後ろは神経Bのエリアね!というふうに神経によってそれぞれ担当しているエリアがあると考えてください。

    ですので、人によって神経痛といっても神経のどの場所が損傷を受けるかによって症状も様々です。

    症状の重症度合いについて

    長い坐骨神経痛になると、症状も増悪していってしまいます。

    特にふくらはぎの外側やふとももの外側の痛みの場合(神経領域的には腰椎4番5番)、ほうっておくとずっと疼くようになったり、歩行障害(間欠性跛行)が出てしまいます。※長い距離を歩けなくなってしまう歩行障害

    歩行障害がひどくなると歩行時間が5分をきり、もっと進行してしまうと膀胱直腸障害(膀胱や直腸を支配している神経が損傷されると起こります)に進展してしまいます。膀胱直腸障害になると完全に手術となります。

    神経痛・痺れ→歩行障害→感覚障害・ふらつき→膀胱直腸障害へと悪くなっていきます。

    2.坐骨神経痛の種類について

    坐骨神経痛はほとんどが次の4つに分けられます

    1.ヘルニア

    2.すべり症

    3.脊柱管狭窄症

    4.梨状筋症候群や臀部周辺の筋肉の問題

    神経痛とはひと昔前までは神経が圧迫されて痛みや痺れの症状が誘発されるとされていましたが、

    今ではそれは誤りで、神経が引っ張られることで痛みや痺れが引き起こされています。

    上の四つでもいずれも神経が引っ張られる刺激が働いて症状が起きています。

    それぞれ4つを簡単にではありますがお話しますので順番に見ていきましょう。

    ヘルニアについて

    ヘルニアとは腰椎という腰骨と腰骨の間にある椎間板という軟骨の変形によって起こされます。下図参照

    こちらは体を横から見た絵になります。資料が古いため圧迫となっていますが、正しくは引っ張られて症状がでます。※圧迫と同時に反対側は引っ張られているため。

    下の図が真上から見た絵になります。

    真上から見ると正常な場合と比べこのように右側の神経に損傷を与えています。このことによって片側だけ症状が出ます。

    ヘルニアの好発部位としては腰椎の4~5番となっております。

    すべり症について

    すべり症とは、腰椎が骨折や変形することによって前にすべってしまっている病態をいいます。

    下図参照※図は骨折を伴うすべり症

    こちらは体を真横から見た絵になります。すべり症は骨自体がなんらかしらの影響(骨折や変形)によって前にすべって位置異常を起こしている状態になります。そうすることによって神経部に損傷を与えてしまい、神経領域に痛みや痺れを発症してしまいます。すべり症の好発部位としては腰椎の5番となっております。

    脊柱管狭窄症について

    脊柱管狭窄症とは、腰椎の変形、人体の肥厚(分厚くなること)、軟骨組織の変形などによって脊柱管と呼ばれる神経の通り道自体が狭くなり、神経が損傷を受けて起こる病態をいいます。下図参照

    こちらは真横から見た絵になります。脊柱管狭窄症は早い人で50代くらいから始まります。つまり加齢による骨の変形が前提になってきます。また、過去にヘルニアやすべり症によって、もうすでに神経の通り道が狭くなってしまっているので、そんな方は加齢とともに脊柱管狭窄症へと移行していきます。

    好発部位としては腰椎の4~5番です。

    ※好発部位がヘルニアや脊柱管狭窄症は腰椎4~5番、すべり症は5番となっています。だいたいが同じ場所で損傷されてしまいます。どうして同じような場所かというと一番負担がかかる場所になってくるから好発部位となってしまうのです。

    梨状筋症候群や臀部の周辺の筋群の問題について

    梨状筋症候群やお尻の筋肉周辺の筋肉が神経によりかかり、牽引刺激が働き症状が誘発されます。下図参照

    こちらは上の3つとは違い、単に筋肉が一時的に位置異常を起こして神経にストレスを与えているものになります。

    ですので、比較的症状も上3つよりは軽度であり、治療の難易度や快方スピードも早いです。

    ※上3つはひどくなると膀胱直腸障害まで発展しますが、こちらの症状は膀胱直腸障害にはなりません

    以上簡単ではありましたが、坐骨神経痛の種類です。

    3.やってはいけないこと

    坐骨神経痛になると、患者さんは痛みのあまりこの痛みをどうにかしたいとストレッチをしたり、マッサージをしたりします。ここでは坐骨神経痛でやってはいけないことをまとめていきます。

    やってはいけないことリスト

    1. ストレッチ
    2. 自転車
    3. 過剰に温める
    4. マッサージ
    5. 座りっぱなし

    多くの方が良かれとと思ってやっている間違いです。どうしてダメなのかを簡単に説明していきます。

    ①ストレッチ

    ストレッチは筋肉を伸ばす目的で行います。神経は筋肉に付着しているので、筋肉を伸ばした際にいっしょに神経まで引っ張られてしまいます。神経は引っ張られる刺激に非常に弱く、症状を増悪させてしまいますので、ストレッチはやめてください。

    ②自転車

    自転車は骨盤構造を破壊してしまうため。

    こちらの記事に詳しくまとめておいたのでこちらをを参照してみてください。

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    ③過剰に温める

    痛みというのは炎症を伴います。特に激しい痛みほど炎症を伴っているので、熱を帯びています。そこにさらに熱を加えてしまうと炎症が悪化してしまいます。

    また、人の身体は筋肉、靭帯、骨もタンパク質から作られています。

    タンパク質は熱に弱い性質を持っており、42℃で変性といって形を変えてしまう性質があります。

    ※生卵をフライパンにのせると白身が透明から白くなる現象

    牛肉であれ、鶏肉であれ、人間の肉であれ骨であれすべてタンパク質は42℃で変性してしまい、一度変性してしまうと元には戻らないという性質があるため、過剰に温めることを続けると熱がこもり、内部で骨組織で熱変性が起こり、変形していってしまいますので過剰に温めることはやめてください。

    ④マッサージ

    マッサージも炎症が起こっているところにマッサージを施すと炎症を悪化させてしまいます。揉んでもらっているときは気持ちいいのですが、悪化させてしまう可能性が非常に高いです。特に関節の問題の場合(ヘルニア、すべり症、脊柱管狭窄症)は関節構造を治していくということをしないと改善することは望めないので悪化の可能性しかありません。

    筋肉の問題の場合マッサージでも良くなる可能性はあります。しかし、坐骨神経痛の割合からみてもだいたいがヘルニア、すべり症、脊柱管狭窄症の割合が高いため悪化するリスクが高くなるのでおすすめできません。

    ⑤座りっぱなし

    こちらも自転車と同様に骨盤構造を破壊してしまいます。

    仕事で長時間座る場合、可能であれば立って高い机で腰を伸ばした姿勢でパソコン作業を行うなど、それが出来ないのであれば、休憩して立つ回数を増やしたり、イスに座る姿勢を見直したり、円座クッション(痔の人が使うクッション)などを使うことをお勧めします。

    対策(自分でできること)について

    自分で出来る対策として、ひとつは歩くということをおすすめします。

    理由は坐骨神経痛はヘルニアで脊柱管狭窄症でも左右の足に均等に体重をかけられない状態がずっと続いていることによって傾きが生まれます。また動かさないこと(座りっぱなし)などによって関節内の関節液が減少し関節の可動性も少なくなってしまい、少しずつ変形へと向かいます。

    歩くことによって体重が均等に乗ること、傾きが是正されること、関節の可動性がよくなることによって簡単な坐骨神経痛であれば自分で治すことができます。

    もう一つの対策としては激しい炎症の場合、氷を使って炎症をとってやるということです。

    激しい痛みの場合、歩くことが困難になってしまいます。特にヘルニアやすべり症脊柱管狭窄症などの激しい炎症を伴っている時期は全く歩けない状態となります。そんなときはとにかく氷を当てて炎症をとってください。そうするとなんとか動けるようになってきます。

    対策(プロに任せる場合の注意点)

    自分で治すにしても非常に難しい場合がほとんでになります。そこでプロに任せるという選択をとることになるのですが、どこにすればいいのかわからないという問題があります。

    病院に行ったけどレントゲンやMRIをとって痛み止めと湿布を貼って様子をみてくださいとしか言われない…

    接骨院でマッサージをしてもらってもいいのか…

    整体にいけばいいのか…

    カイロに行けばいいのか…

    鍼灸に行けばいいのか…

    患者さんの立場からするとどこに行けばいいのかわからないと思います。

    そこでいくつかの判断材料というのをご紹介します。

    判断材料①

    【病態把握しているかどうか?】と【病態の把握を患者さんに説明しているか?】

    治療してくれる人があなたの今の状態を把握できているか?

    問診や検査に時間をかけてあなたの状態をきちんと治療してくれる人が理解しているのか?そしてその状態を患者さんに説明しているか?ということを判断基準にしてみてください。例えばたんに坐骨神経痛です。だけではなく、検査によってあなたの場合はヘルニアによる坐骨神経痛が出ている状態です。ヘルニアの中でも症状の重症度合いとしてはまだ軽症の部類です。これくらいの頻度で治療していけばこれくらいで良くなりますといった感じの説明。

    判断材料②

    【治療方針の有無】

    どうして今の状態になったのか?またどうやって治していくか【治療の方針】があるのかを確認してみてください。

    必ず症状には原因があるため、

    良い治療院では、その原因を提示してくれ、治していくための指針を説明してくれます。

    良くあるダメな例では、筋肉が固くなっているからこの筋肉を柔らかくしないとだめなんですよと素人が考えても思いつくような浅い説明を受けた場合はやめたほうがいいです。

    判断材料③

    【治っていくメカニズムの説明があるか】

    脊柱管狭窄症など変形性の症状に対してお医者さんでは『手術することによって変形して、狭くなっている部分を広くする』みたいなこの狭い部分に対してこうアプローチして良くしていくという具体的なメカニズムの説明があるのか?またそれが信頼できるのか?を判断材料にしてみてください。

    判断材料④

    本当の実績があるかどうか?

    他の患者さんの治った写真や動画があるのかどうかというのを確認してみてください。

    そもそも患者さんの写真自体なく、ホームページ上での良くなりましたというものはいくらでも都合よく作れるので出来るだけ生の声、コメント付き写真や出来れば動画などをたくさんあげている実績のある治療院を探してみてください

    患者さんが治療院を選ぶ際に気をつけたほうがいい判断基準4つです。参考にしてみてください。

    ここまで読んでいただきありがとうございました。

    以上坐骨神経痛について簡単にまとめてみました。

    このブログではあなたの症状が良くなるように有益な情報を発信していきますのでまた見にきてください。

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